どうもこんにちは。
Web/App/UIデザイナーのサトウです。
今回は、Googleコアアップデート→検索順位急落に対する施策について書いていきたいと思います。
Googleコアアップデート(2023年10月および11月)
Googleは検索アルゴリズムのアップデートを不定期に(年に2〜4回程度)繰り返しています。
2023年10月6日から19日にかけてと、同11月3日から29日にかけてもアップデートが行われました。
このアップデートは「コアアップデート(コアアルゴリズムアップデート)」と呼ばれるもので、検索のアルゴリズムを見直して検索結果がユーザーにとってより良いものになるよう改善するためのものです。
2023年10月および11月のアップデートでは、「よりユーザーファーストであること」が重要視されたアルゴリズムに調整されたと言われています。
また、「E-E-A-T(ダブルイーエーティー)」(「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trust(信頼性)」を重要視する姿勢は以前からありますが、僕の体感としては今回のアップデートでこの姿勢がより強まったように感じます。
Googleコアアップデート被弾で検索順位が急落
僕の運営しているブログも、今回のGoogleコアアップデートの影響を大きく受けています。
10月のアップデートで著しく急落し、11月のアップデートでさらに下落しました。
主戦力としているガジェット系のブログ(「ブログA」とします。)はこの影響でPVが70%ほどダウンし、壊滅的なダメージを受けています。
特に影響が大きいと感じているのは、先述した「E-E-A-T」です。
その中でも「専門性(Expertise)」と「権威性(Authoritativeness)」がより大きなウェイトを占め、それをもって「信頼性(Trustworthiness)」と判断している傾向が伺えます。
検索成績の例(サイト全体)
ブログAのサイト全体における検索順位、表示回数、クリック数の推移がこちらです。
表示回数は約30,000回から約10,000回に落ち、クリック数は約2,000回から約500回に落ちています。
「平均検索順位」があまり変わっていないのは、極下位にランクインしていたページがランク外に落ち、平均値としてあまり変わらなくなっているものと思われます。
検索成績の例①(キーワード:airpods+α)
AppleのBluetoothワイヤレスイヤホン「AirPods」に発生する不具合についての検索キーワード検索成績がこちら。
「airpods+第2ワード+第3ワード」のバリエーションでことごとく1位を獲得していた記事があるのですが、一気に下落し現在2位〜4位にとどまっています。
以前は僕のサイトがAppleのページさえ押さえて1位を獲得し続けていましたが、Appleのページが1位を獲得するケースがかなり増えました。
が、それは割合でいうと半分程度で、残りの半分程度は個人と思われる情報ブログが1位〜3位を獲得しているケースです。
多くのケースで1位を獲得している競合サイトAは、サイトの規模は大きいものの家電全般を取り扱うサイトで専門性が高いとは言いづらく、上位に食い込み時折1位を獲得している競合サイトBは、Apple製ガジェットに的を絞っており専門性は高いと言えるものの記事数が少なく規模は小さめです。
また、ドメイン年齢も競合サイトAが2020年から、競合サイトBが2022年からと新しく、そういった点での信頼性もあまり高いとは言えなそうです。
検索成績の例②(キーワード:iCloud+α)
Appleのクラウドサービス「iCloud」に関連するトラブルについての検索キーワード検索成績がこちら。
細かく上下動はあるものの、概ね2位をキープしつつ時折1位になっていたキーワードですが、現在は4位が定位置となっています。
こちらはAirPodsのキーワードと違い、上位にいるのはプレスリリースの配信会社、モバイル端末の修理会社、iPhoneのデータバックアップソフト開発・販売会社となっています。
また、1ページ目に表示されている他のページは、
- Apple
- ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社
- ロジテック
- Yahoo!
- 日経
- PCデポ
をはじめとした企業のページで、個人サイトと思われるページが見当たりません。
錚々たる顔ぶれの中で4位にいるというのはある意味すごいことかもしれません。
検索成績の例③(キーワード:ジョイコン+α)
Nintendo Switch のコントローラー「ジョイコン」に発生する不具合についての検索キーワード検索成績がこちら。
長らく1位を獲得し続けていたキーワードですが、現在では4位となっています。
だいたいのケースで1位がゲームの修理業者、2位が任天堂、3位が別の個人ブログとなっています。
3位にランクインしている個人ブログは、記事数が少なく規模は小さいものの「ゲーム」というテーマに特化していて専門性は高いと言えます。
「E-E-A-T」の評価基準
「企業である」ことは高ポイント
Googleが
- Experience(経験)
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trust(信頼性)
をどう審査し評価しているのかを知る術はありませんが、総じて「企業である」という点がより重要視されるようになったのは間違いなさそうです。
先述した検索成績の例以外でも、多くのキーワードで何かしら関連した事業をおこなっている企業が1位〜上位にランクインしてきています。
個人サイトの場合は?
「企業である」というだけで基礎点は高くなるようですが、企業であれば良いというわけでもなく、より有用と判断される個人ブログが高評価を得るケースもなくはない、といった感じです。
個人ブログが横並びになり、コンテンツの品質という点では一見して大差ない場合にどのような点がどのように評価されるのかははっきりとはわかりません。
ただ、先述したAirPodsに関するキーワードで言うと、競合サイトAはサイトの規模が大きい点が著しく高評価、競合サイトBはテーマの専門性が高い点が著しく高評価となり順位を上げているような印象はあります。
逆に、ブログAの
- ドメイン年齢
- 記事の公開時期
といった点はあまり評価されていないようです。
より「ユーザーファースト」を目指す改善
今回のアップデートで検索順位が落ちたということは「そのページはユーザーファーストではない」と判断されたということです。
これは本意ではありません。
そこで、より「ユーザーファースト」を目指し、改善を加えました。
が、結論からいうと、検索順位1位を奪還することはできませんでした。
おそらくですが、「ページ単位」というよりは、「サイトとして」の規模や専門性といった点がかなり大きく評価に影響を及ぼしているものと思われます。
今回おこなった施策について、
- 効果があったもの
- 効果がなかったもの
- 逆効果だったもの
- 効果の有無が判断しづらいもの
に分けてご紹介していきますので、よければ参考にしてみてください。
効果があったもの
検索順位の上昇が認められたと判断した施策です。
とはいえ検索順位1位を獲得するには至りませんでした。
冗長なコンテンツをスリム化
僕はトラブルシューティングの記事を書く際、ルポルタージュとして出来事をなるべく詳細に記述するようにしていました。
また、僕自身の考察・推論と結果を合わせて記述するケースも多いです。
が、こういった文章がやや冗長になっているのでは、という判断から、記事の本質であるトラブル解消に直接関係ない記述については削除しました。
ユーザーニーズに則ったコンテンツの調整
「AirPods」というユーザーニーズに対し、記事内では「AirPods Pro」についての記述が目立っていたため、より「AirPods」というキーワードを意識してコンテンツを調整しました。
AdSense自動広告を撤去
AdSenseの自動広告を設置していましたが、非表示にしました。
設置していた自動広告は次の3種類です。
- アンカー広告
- サイドレール広告
- ページ内バナー広告
ただ、広告を撤去して検索順位が上がっても結局収益を得られないのであれば、検索順位が低いまま収益を得られないのと変わりなく、悩ましいところではあります。
効果がなかったもの
公開日と更新日の表示位置を変更
記事の後に表示していた記事の更新日を記事の前に表示させてみましたが特に効果はありませんでした。
AdSense手動広告を削除
自動広告とともに、記事タイトル下、記事本文末尾に設置していたAdSense手動広告も削除してみました。
が、これは特に効果がありませんでした。
PageSpeed Insightsを元にした改善
パフォーマンスの向上やユーザー補助の向上を突き詰めましたが、特に効果は見られませんでした。
元々それほど悪かったわけではないのであまり関係なかっただけかもしれません。
執筆者の表示、プロフィールページの追加
サイトの運営者情報はサイトのフッターに常に表示していましたが、「記事の執筆者」と明確にわかるよう記事の本文末尾に移動しました。
また、プロフィールページというものを単体で用意していなかったので用意しました。
内容は、サイトのコンセプトや運営者のプロフィールです。
特集ページの追加
カテゴリーやタグで表現しきれないあるテーマに沿った記事のインデックスとなる特集ページを新設しました。
ちなみに僕のサイトではタグアーカイブは重複コンテンツ認定を避けるためnoindexにしています。
WordPressテーマの変更
検索結果上位陣のソースコードを見てみると、利用しているWordPressテーマが軒並み「Swell」で、どういうものか気になり導入してみました。
検索結果の向上にはつながりませんでしたが、非常に使いやすいテーマで大変気に入りました。
記事のスラッグをマルチバイトからシングルバイトに変更
以前はスラッグをいちいちシングルバイトで付けていたのですが、あるときから考えるのが面倒になり、記事のタイトルをそのままスラッグとして使うようになっていました。
いわゆる「日本語URL」というやつです。
これが「ユーザーファーストではない」と判断されるかどうかは微妙でしたが、Twitter(現・X)やInstagram等にリンクを貼り付ける際に冗長になったり、日本語部分がリンクとして認識されなかったりするという面倒さがあるので、この機会にまたシングルバイトでスラッグを命名するようにしました。
案の定、検索順位には関係なかったようです。
過去記事のマルチバイトスラッグもシングルバイトに順次直していっています。
ワードプレスはスラッグを変更しても自動的に301リダイレクトしてくれるので助かります。
逆効果だったもの
公開日と更新日の表示
これまでは記事の更新日だけを表示していましたが、公開日も合わせて表示するようにしてみました。
すると、公開日が更新日より優先され、公開日が古いというだけで順位が3ランク〜4ランク下がるという結果に。
更新日がどれだけ新しく、コンテンツの内容がどれだけ最新で品質で引けをとっていなくても、公開日が古いというだけで検索順位が大きく下がることがわかりました。
Macに関する記述を削除
当該コンテンツはAirPodsに関するコンテンツで、接続するデバイスとしてiPhoneとMacがあり、それらの記述が混じっていると専門性が下がるのではという推測からMac関連の記述を削除してみたところ、いくつかのキーワードで順位が1つ下がりました。
場合によっては効果がありそうなもの
記事タイトルの変更
記事タイトルが狙いとズレている場合はチューニングすることで効果は得られそうです。
微妙に調整しながら何パターンか試してみたところ、これにより順位の変化があったように見受けられます。
が、今回のケースでは順位を上げることにつながる変更は見つけられませんでした。
結論
結論としては、コンテンツ単体、記事ページ単体というよりはサイト全体での施策が必要そうだというところに辿り着き、今回はここまでで施策を終了することとしました。
さらに施策をおこなうとすれば次のどちらかになると思います。
- 高品質なコンテンツを大量に投入しサイト自体の品質と規模をアップスケールする
- 「ガジェット」からさらに細分化・専門化(例:スマホ、オーディオ機器 等)し専門性を高める
一旦今回はここまでです。
というわけで、長くなりましたが今回はGoogleコアアップデート→検索順位急落に対する施策について書いてみました。
いかがだったでしょうか?
読んでくださったあなたの参考に少しでもなれば嬉しいです。
それではまた次回。