どうもこんにちは。
Web/App/UIデザイナーのサトウです。
今回は、チャットワークフリープランの仕様変更でできるようになったこと&できなくなったことについて書いていきます。
チャットワークの仕様変更
2022年10月6日、チャットワークの仕様変更がおこなわれ、フリープランで利用できる機能にも変更がありました。
インパクトの大きいものは下記2点かと思います。
- グループチャットが無制限にできるようになった
- チャットの過去ログ(41日以上前)が見れなくなった
グループチャット数の制限がなくなったのは非常に助かる仕様変更ですが、一方で41日以上前の過去ログを見ることができなくなってしまったのは致命的な仕様変更とも言えます。
グループチャットが無制限にできるようになった
これまでは「累計7個まで」の制限があった
これまでチャットワークのフリープランには、「グループチャットは累計7個まで」という制限がありました。
「累計」というところがポイントで、これは「アカウント作成から数えて7個しかグループチャットを使えない」という制限です。
使い切ったらおしまいです。
「同時に7個までしか使えない」ではないところがポイントですね。
これにより、複数人での利用が主になってくる使用用途でチャットワークを使い続けるには、事実上無条件にビジネスプラン以上を契約する必要がありました。
僕の場合は、自分とクライアントの1:1で利用するケースがほとんどだったので、この制限があっても特に支障はなく、フリープランを使い続けることができました。
グループチャットを使用する必要がある場合でも、クライアント企業がチャットワークの有料プランを契約していて、そちらのグループチャットに招待いただくという形で対応できました。
グループチャット数の制限が撤廃
今回の仕様変更で、「グループチャットは累計7個まで」の制限が撤廃され、グループチャットを無制限に使用できるようになりました。
1人:複数、あるいは複数:複数といったチームでコミュニケーションをとるケースが多い使用用途では、この制限撤廃は嬉しい仕様変更です。
が、僕のような基本1:1で使っている人間にとっては特に恩恵のある仕様変更ではないように思います。
チャットの過去ログ(41日以上前)が見れなくなった
これまでは無制限に過去ログを閲覧できた
これまでは、特に期間の制限もなく、すべての過去ログを閲覧することができました。
なので、過去に遡って「あのときどういう対応してたっけ?」とか「これってどういう経緯だったっけ?」などといった確認をすることもできましたし、ちょっとしたメモ代わりだったり、ファイル置き場といった使い方もできました。
41日以上前のチャットは閲覧不可
今回の仕様変更で、「直近40日以内に投稿された最新5,000件のメッセージが閲覧可能(組織ごとに適用)」という制限が設定されました。
言い方を変えれば、「41日以上前のチャットは閲覧不可」ということです。
かつ、「最新5,000件のメッセージ」ということなので、大きい組織だったり取引先が多かったりしてメッセージのやり取りが多いと、40日以内であっても閲覧できないメッセージが出てくる可能性があります。
40日で5,000件というと、1日あたり125件。休日でやり取りが発生しない日もあるでしょうから、1日あたりの件数はもう少し多そうです。
これは致命的ですね。
チャットツールはコミュニケーションツールであると同時にログツールでもあり、前述したような過去ログを閲覧する用途というのは多くのユーザーが使用している用途かと思います。
これができなくなったことで、チャットワークフリープランは「ログを必要としない用途」でしか使うことができなくなりました。
つまり「伝えるだけ」の用途で、記録として残す必要のある事項は別途他の場所に残す必要があるということです。
まぁ、そもそもそれが正しいといえば正しいですが。。。
とはいえ、チャットでのやり取りを常に議事録に残すのは非常に労力の必要な作業で、その労力を適宜カットできるのがチャットツールの価値でもあります。
それができなくなってしまったのはかなり痛いと言わざるを得ません。
過去ログ閲覧の日数制限自体は他のチャットツールにもある
無料プランにおいて「決められた日数分しか過去ログを見れない」という制限自体は他のチャットツールにもあります。
例えば、slackには「過去90日分」という制限があります。
その他の変更点
さて、今回の仕様変更でインパクトの大きかった2つの制限解除&付加について書いてきましたが、それ以外の部分にも目を向けてみましょう。
今回の仕様変更で以下のような変更がおこなわれています。
- チーム機能が使えるようになった
- 検索結果の表示件数が増えたが検索オプションが使えなくなった
チーム機能が使えるようになった
チャットワークのチーム機能というのは、「組織内で作成したチームをグループチャットに設定し、ユーザーをチームに追加すると、複数のチャットに一度にユーザーを参加させることができる」という機能だそうです。
つまり、チャットワークを組織契約していることが前提の便利機能なので、個人で契約しているフリーランスにはあまり関係のない話かもしれません。
検索結果の表示件数が増えたが検索オプションが使えなくなった
チャット内を検索した際の検索結果表示件数が、仕様変更前は100件だったものが仕様変更で200件になりました。
ただし、検索オプションが使えなくなりました。
検索オプションとは、「除外キーワードや発言者、発言日で絞り込んで検索できる」という機能です。
これもこぢんまりとやっている個人ユーザーにはあまり大きな打撃ではないかもしれません。
組織での利用であったり、やり取りする相手が多い場合には、痛い仕様変更と言えるでしょう。
チャット名 / メッセージを検索する – ヘルプ | Chatwork
無料プランではログとしての使い方ができなくなった
今回の仕様変更で無料プランに追加された
- 41日以上前の過去ログが見れない
- 検索オプションが使えない
という2つの制限によって、チャットワークをログとして使うことは不可能になりました。
本来、チャットはリアルタイムなコミュニケーションをするためのツールであり、ログとして残し閲覧するためのツールではないはずなので、残すべき内容は然るべきドキュメントに残すのが正しい姿なんだとは思います。
が、やはり前述したとおり、常にそれを実戦するのは非常に労力の必要な作業です。
実際、チャットワークをログとして利用しているユーザーは多かったのでしょう。
だからこそ、「それをするためには有料プランを契約してください」というのが今回の仕様変更なんだと思います。
チャットワーク無料プランの制限
チャットワーク無料プランに設けられている制限についてまとめましょう。
- メッセージの閲覧制限
→最新40日分まで - ストレージ容量の制限
→1組織あたり5GB - ブックマークの制限
→閲覧制限のかかったメッセージのブックマークは閲覧不可 - ビデオ通話参加人数の制限
→同時利用2ユーザーまで。3ユーザー以上の通話は自動的に音声のみの通話に。 - 広告表示の制限
→画面右下に広告が表示される - メッセージの詳細検索の制限
→詳細検索機能が使用不可 - ユーザー管理機能の制限
→ユーザー情報変更等いくつかの機能が使用不可 - アップグレードの制限
→組織で複数ユーザーがいる場合一部ユーザーのみをアップグレードすることは不可
チャットワーク無料プランの制限について詳しくはチャットワーク公式ページをご参照ください。
フリープランの制限は? – ヘルプ | Chatwork
僕の使用用途ではこれらの制限は特に気になりません。
ビデオ通話も2名まで時間制限なしで使えるならむしろありがたいくらいです(使わないですが)。
チャットワーク無料プランと有料プランの比較
さて、では有料プランを検討するとして、有料プランはどのような内容になっているのでしょうか。
チャットワーク無料プランと、有料プラン(ビジネスプラン、エンタープライズプラン)の違いは下記の通りです。
フリープラン | ビジネスプラン | エンタープライズプラン | |
料金(税込) | 無料 | 550円/1ユーザー/月 (年契約) ※月契約の場合は660円/1ユーザー/月 |
880円/1ユーザー/月 (年契約) ※月契約の場合は1,056円/1ユーザー/月 |
---|---|---|---|
ユーザー上限 | 100 | 上限無 | 上限無 |
ユーザー追加・削除 | ○ | ○ | ○ |
ユーザー情報変更 | × | ○ | ○ |
ユーザー登録一括インポート | × | ○ | ○ |
ユーザー情報エクスポート | × | ○ | ○ |
チーム機能上限 | 上限無 | 上限無 | 上限無 |
API利用 | ○ | ○ | ○ |
コンタクト自動承認 | ○ | ○ | ○ |
管理者権限移譲 | × ※ユーザー管理者は無 |
○ | ○ |
セキュリティ/チャットログ管理 | × | × | ○ |
チャットワーク各プランの違いについて詳しくはチャットワーク公式ページをご参照ください。
プラン・料金 | ビジネスチャットならChatwork
使用用途によっては乗り換え検討のきっかけに
今回の仕様変更による、前述した2点の大きな変更は、使用用途によっては別のチャットツールへの乗り換え検討のきっかけになるでしょう。
もちろん、この機会にチャットワークの有料プランを契約する人も少なからずいるとは思います。
有料プランも、ビジネスプランが月額660円(税込)※とお手軽といえばお手軽な料金です。
※年間契約だと年間6,600円(税込)=月額550円(税込)でさらにお手軽。
とはいえ、フリーランスで極力出費を抑えたいユーザーにしてみれば、別の選択肢を模索するきっかけにはなると思います。
ビジュアルコラボレーションツールの「cacoo」やプロジェクト管理ツールの「Backlog」で有名なヌーラボさんも「Typetalk」というビジネスチャットツールをリリースしているみたいですね。
僕の場合はOffice製品を使いたくてMicrosoft 365 Personalを年間契約しているので、今後チャットによるコミュニケーションが必要な場合はTeamsを使用する機会が増えるかもしれません。
ちなみにTeamsは無料プランでもさほど制限がきつくないです。
チャットについてはこれといって制限がなかったと思います。
ビデオ通話も「グループ通話で最大60分」とかなり寛大です。
そうそう、ビデオ通話といえば、zoomが1:1の通話に40分の時間制限を付けましたね。
今までは「ビデオ会議といえばzoom」でしたが、この制限がついてから僕はビデオ会議もTeamsを使うようになりました。
Microsoft 365はPersonalプランでも年間12,984円(税込)=月額1,082円(税込)※とちょっと割高ですが、Office製品とのパッケージと考えれば悪くない選択です。
※毎月払いだと月額1,284円(税込)。
Office製品は無料や安価の他社製品で代用する人もいるでしょうから、そのあたりは人それぞれですね。
キングソフトWPS OfficeやOfficeSuiteあたりはメジャーなところかと思います。
ただ、僕の場合は過去に他社製の代替製品を使っていてMicrosoft製品との互換性で面倒だったことがあり、それが嫌でMicrosoft 365を契約しました。
さて、今回は、チャットワークフリープランの仕様変更でできるようになったこと&できなくなったことについて書いてみました。
いかがだったでしょうか?
読んでくださったあなたの参考に少しでもなれば嬉しいです。
それではまた次回。